毛じらみ

毛じらみとは

毛ジラミはヒトシラミ科に属する毛じらみが寄生することにより発症し、最近症例が増加しているといわれています。毛じらみの体は1o前後で、色は灰白色か少し黄みがかった灰白色です。成虫の平均寿命は22〜28日で、毛から離れてしまうと48時間で餓死します。

 

毛ジラミの寄生するところは主に陰毛です。陰毛に卵を産み付け繁殖し、血を吸い成長します。毛じらみの卵は7日でふ化し、7〜16日で成虫になります。成虫の寿命は約1ヶ月で、1匹のメスはその間に約200個の卵を生みます。成虫も幼虫も1日数回吸血します。血を吸われた部分は赤い点になったり少し腫れたりし、痒みが強くなります。

 

成人の毛ジラミの主な原因は、毛ジラミを持っている人との性交渉での感染です。まれにタオルや衣類、寝具類などの共有から感染することもあります。戦後、発疹チフスを媒介とする害虫として恐れられた毛じらみですが、DDTの威力と生活環境の改善により、日本ではすっかり目にしなくなっていました。最近の症例増加の理由は、海外旅行者が増え、海外で毛じらみに感染し、それを日本国内に連れ帰ってしまうことが原因ではないかといわれています。

 

性感染症・性交渉による毛ジラミの感染はよく知られるところですが、毛じらみは性感染症の予防策であるコンドームでは回避できません。陰毛以外にもすね毛や腋毛、頭髪や髭にも感染する可能性はあります。 

 

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