毛じらみの生態
ケジラミ(Phthirus pubis)は吸血性昆虫で、寄生することにより発症する疾患が毛じらみです。主に性行為によって感染します。
従来より毛ジラミが病名として使われてきましたが、病原体としてのケジラミと区別するため「毛ジラミ症」といわれるようになってきました。人に寄生するシラミは3種類あります。ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミです。この中で性病とされるのはケジラミだけです。
シラミ類は幼虫から成虫まで、オス・メスを問わず人より吸血し、血液を栄養源としています。ケジラミの吸血は1日に数回行われるとされていて、幼虫はその血液を栄養として成長、脱皮を繰り返し、成虫になります。そして交尾の後、メスは産卵します。卵は毛の根元近くに産み付けられ、まるでセメントのようなもので毛に固定されます。
多少のことでははがれたりしません。産卵後の卵は7日前後でふ化し、5〜6日で脱皮、さらに4〜6日後にもう一度脱皮して成虫になります。成虫になるとメスは1〜2日後には卵を産みます。したがってケジラミは3〜4週間が1サイクルということになります。さらに成虫は3〜4週間生き続け、その間に30〜40個卵を産むとされています。