毛じらみ

毛じらみ症とすき櫛

毛ジラミは昔から性媒介病としてとらえられてきました。男女の性交渉の中で伝染するケースが最も多いからです。しかし、父親・母親から子どもに伝染することもまれにあります。陰毛に限らずまつげや頭髪、胸毛につくこともあります。

 

症状は外陰部の痒みです。陰毛をよく見ると毛じらみがはっているのを見つけることも珍しくありません。成虫は陰毛の間を渡り歩きます。じっとはしていません。また、薄い茶色の成虫が皮膚にへばりついて、カサブタのように見えることもあります。爪でこそぎ落として見てみてください。足を動かしているのがわかります。もし成虫を発見できなくても卵が見つかれば毛じらみと判断することができます。

 

毛ジラミの卵は白っぽく立体的についていますので、フケやほこりとは区別できると思います。治療としてはクロタミトン(オイラックス)などがあります。しかし決して効果的であるとはいえず、健康保険で認められた良い薬がなかなかないのが現状です。市販の「スミスリン・パウダー」(ピレスロイド系殺虫剤:住友)が唯一の有効薬剤です。卵の除去には「すき櫛」をおすすめします。おばあちゃんの世代の女性はみな所持していたものですが、今ではほとんど見なくなりました。和装小物店に問い合わせてみると見つかるかもしれません。決して毛ジラミ用の…とは訊ねないでください。